賃貸契約の「特約」で要注意な文言一覧
知らずにサインすると損する条項を不動産のプロが徹底解説
賃貸契約書を見ていると、後半に必ず出てくるのが
「特約事項」 という項目です。
文字が小さく、量も多いため、
- よく分からないけどサインした
- 不動産屋が言わなかったから大丈夫だと思った
- 重要事項説明で聞いた気がするけど覚えていない
という方が非常に多いのが現実です。
しかし、賃貸トラブルの原因の多くはこの「特約」 にあります。
この記事では、不動産実務の現場で実際によくある
要注意な特約文言・見落としがちなポイント・確認すべき考え方 を徹底的に解説します。
そもそも「特約」とは?
特約とは、
一般的な賃貸契約のルールに追加・変更を加える特別な取り決め のことです。
本来、賃貸借契約は
- 民法
- 借地借家法
といった法律に基づいていますが、
当事者同士の合意があれば、一定範囲で条件を変更できる 仕組みになっています。
👉 その「合意」の証拠が、特約です。
特約が重要な理由
特約は、
- 契約書に書いてある
- 借主が署名・押印している
という理由から、
原則として「同意した内容」として扱われます。
つまり、
「知らなかった」
「説明されなかった」
は、基本的に通用しません。
【要注意】賃貸契約でよくある危険な特約文言一覧
① 退去時ハウスクリーニング費用を借主負担とする特約
よくある文言例:
退去時、室内クリーニング費用は借主の負担とする
これは非常に多い特約です。
✔ 法的に有効なケースが多い
✔ 金額が明記されていないとトラブルになりやすい
確認ポイント:
- 金額はいくらか
- 敷金から差し引かれるのか
- 別途請求されるのか
② 原状回復費用一式を借主負担とする特約
要注意文言:
原状回復費用はすべて借主負担とする
👉 この書き方は要注意です。
通常、
- 経年劣化
- 通常使用による損耗
は貸主負担です。
あいまいな表現の場合、
具体的な範囲を必ず確認 しましょう。
③ 短期解約違約金に関する特約
よくある内容:
- 1年未満解約:家賃1か月分
- 2年未満解約:家賃0.5か月分
これは合法ですが、
転勤・住み替えの可能性がある人は特に注意。
確認ポイント:
- 何か月未満が対象か
- 更新後も適用されるか
④ 敷金は一切返還しないとする特約
文言例:
敷金は退去時、いかなる理由があっても返還しない
これは
条件次第では無効になる可能性がある特約 です。
- 敷金の性質
- クリーニング費用との関係
が不明確な場合、
トラブルになることが多いです。
⑤ エアコン・設備の修理は借主負担とする特約
注意すべき点:
- 設備なのか
- 残置物なのか
エアコンが
- 設備 → 貸主負担
- 残置物 → 借主負担
となるケースがあります。
👉 重要事項説明で必ず確認すべきポイントです。
⑥ 更新時に更新料とは別に事務手数料を請求する特約
よくあるケース:
- 更新料:家賃1か月分
- 更新事務手数料:0.5か月分
合計すると
更新時の負担が想像以上に大きくなる ことがあります。
⑦ ペット飼育時の特約
例:
- 敷金1か月追加
- 退去時、消臭・消毒費必須
- 原状回復費用は借主負担
「ペット可」でも
特約内容によって負担が大きく変わります。
⑧ 喫煙に関する特約
要注意文言:
喫煙によるクロス汚損はすべて借主負担とする
室内喫煙OKでも、
退去時に高額請求になるケースが非常に多いです。
⑨ 鍵交換費用を借主が必ず負担する特約
確認ポイント:
- 任意か必須か
- 金額はいくらか
「防犯のため」と言われがちですが、
借主負担が当然ではありません。
⑩ 特約の内容があいまい・抽象的
危険な例:
- 「一切」
- 「すべて」
- 「原則」
といった表現。
👉 あいまいな特約ほど、後で揉めます。
特約はどこまで有効なの?
ポイントは以下です。
- 借主に一方的に不利すぎないか
- 内容が具体的か
- 説明があったか
これらを満たさない特約は、
無効と判断される可能性 もあります。
ただし、
実際に争うには時間と労力がかかるため、
契約前に防ぐことが最重要です。
特約をチェックするときの考え方
✔ 金額が明記されているか
✔ 範囲が具体的か
✔ 他の書面と矛盾していないか
✔ 重要事項説明と内容が一致しているか
1つでも不安があれば、
必ずその場で質問しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 特約は削除・変更できる?
→ 可能な場合もありますが、繁忙期は難しいことが多いです。
Q. 説明されなかった特約は無効?
→ 原則は有効。だからこそ事前確認が重要です。
Q. サイン後に気づいたら?
→ 交渉は可能ですが、認められないケースが多いです。
まとめ|特約は「一番危険なページ」
- 特約は小さな文字ほど重要
- 読まずにサインはNG
- 分からない特約は必ず質問
- 納得できなければ契約しない選択も大切
賃貸契約で後悔しないためには、
特約を制することが最大の防御です。


